産経新聞 2002年5月30日(木曜)朝刊 の記事

紀子さまもお祝い 産経児童出版文化賞

 第49回産経児童出版文化賞(産経新聞社主催、フジテレビ、ニッポン放送後援、JR7社協賛、ホテルエドモント協力)の贈賞式が29日、秋篠宮妃紀子さまをお迎えして、東京・飯田橋のホテルエドモントで行われた。

 関係者約250人が出席し、受賞者を祝福した。

 清原武彦・産経新聞社長の開式のあいさつの後、紀子さまは「感性豊かな成長期に、子供たちが本を読みながらそれぞれの思いをめぐらせることは大切でありましょう。これらの受賞作品を通して、子供たちが自らの考えを深め、創造する力をすこやかにはぐくんでいくことを強く願っております」とお祝いの言葉を述べられた。

 選考委員を代表して、作家の落合恵子さんが講評。受賞者と受賞出版社に賞状、ブロンズ像、賞金などが贈られた。

 この後、「炎の秘密」の翻訳で大賞を受賞した翻訳家のオスターグレン晴子さんが「14歳の長女にすすめられて翻訳することになりました。この本を読んで若い人たちが、世界の平和を考えるようになってくれればうれしい」と喜びを語った。

受賞者と作品
 〈大賞〉「炎の秘密」ヘニング・マンケル作、オスターグレン晴子訳(講談社)
 〈JR賞〉「川の上で」ヘルマン・シュルツ作、渡辺広佐訳(徳間書店)
 〈賞〉「えんの松原」伊藤遊作、太田大八画(福音館書店)▽「クリスマスはきみといっしょに」ホリー・ホビー作、二宮由紀子訳(BL出版)▽「シカゴよりこわい町」リチャード・ペック著、斎藤倫子訳(東京創元社)▽「地震と火山の島国」島村英紀(岩波書店)▽「平和のたからもの」寺田志桜里文・絵(くもん出版)
 〈美術賞〉「かえるだんなのけっこんしき」ジョン・ラングスタッフ再話、フョードル・ロジャンコフスキー絵、さくまゆみこ訳(光村教育図書)
 〈フジテレビ賞〉「不思議の風ふく島」竹内もと代作、ささめやゆき絵(小峰書店)
 〈ニッポン放送賞〉「ビリー・ジョーの大地」カレン・ヘス作、伊藤比呂美訳(理論社)
 〈推薦〉「朝の別れを」大野允子著(ポプラ社)▽「家出の日」キース・グレイ作、まえざわあきえ訳、コヨセ・ジュンジ挿絵(徳間書店)▽「AはアフリカのA」イフェオマ・オニェフル作・写真、さくまゆみこ訳(偕成社)▽「オオカミのともだち」きむらゆういち文、田島征三絵(偕成社)▽「河合雅雄の動物記(3)」草山万兎作、金尾恵子画(フレーベル館)▽「キツネ」マーガレット・ワイルド文、ロン・ブルックス絵、寺岡襄訳(BL出版)▽「ちいさなきかんしゃレッドごう」ダイアナ・ロス作、レスリー・ウッド絵、みはらいずみ訳(あすなろ書房)▽「チョウとガのふしぎな世界」矢島稔著(偕成社)▽「琵琶湖の魚」今森洋輔著(偕成社)▽「ムシャノコウジガワさんの鼻と友情」二宮由紀子作、荒井良二絵(偕成社)=敬称略


(追記:この後に開かれたパーティでは、河合隼雄・文化庁長官が出席して祝辞を述べて下さった。また、紀子さまと受賞者・受賞出版社が歓談した)

産経新聞 2002年5月5日(日曜・こどもの日)朝刊 産経児童出版文化賞・特集面記事
『地震と火山の島国--極北アイスランドで考えたこと』
環境と共生、連帯する暮らし

 北緯64度のアイスランドは、月世界のような生まれたてのプレートがつくった島である。一読すると、氷河に覆われたこの国の紹介のようであるが、地球物理学者の目は、プレート・テクトニクス理論の解説に据えられている。それを寺田寅彦博士のような筆致で、この国の人々が環境との共生のあり方と、行政に頼るだけではなく連帯する暮らし方の描写で包むような構成にしているので、温かさが伝わつて読みやすい。

 雲仙普賢岳噴火、阪神大震災等々、噴火と地震とを経験している我々は、本書の内容は暮らしに無縁ではないことを読みとってほしい。

鷺谷 昂 (選考委員)

(岩波ジュニア新書・780円)

北海道新聞 2002年5月9日(木曜) 夕刊 文化面記事
島村英紀・
北大教授の著書「地震と火山の島国」が産経児童出版文化賞に

 世界各地で地震観測の経験を持つ地球物理学者の島村英紀北大教授=写真=の著書『地震と火山の島国--極北アイスランドで考えたこと』(岩波ジュニア新書)が、このほど第49回産経児童出版文化賞のうち、大賞、JR賞に次ぐ「賞」5点の一点に選ばれた。

 同書は、昨年3月に出版。海底火山が偶然、海上に姿を見せた特異な成り立ちを持つアイスランドについて、地質学的な解説だけでなく、地震観測で何度も訪れたアイスランドの人々の暮らしぶりや産業、習慣などにもふれ、日本と比較しながら紹介している。出版以降、子供だけでなく大人の読者からも手紙で「私もアイスランドに行ってみたくなりました」という反響が相次いで届いたという。

 入賞について島村教授は「正直、最初は意外でした。でも、研究の成果が、こういう形で社会に貢献できたことは大変うれしい」と喜ぶ。授賞式ば29日、東京で。

(文化部・島田季一記者)

第49回産経児童出版文化賞決まる
産経新聞 2002年5月5日(日曜・こどもの日)朝刊 記事

 第49回産経児童出版文化賞が決まりました。昨年1年間に刊行された児童向けの新刊書を対象に審査を重ねた結果、次の20点を大賞、JR賞、賞、美術賞、フジテレビ賞、ニッポン放送賞、推薦に選びました。贈賞式は5月29日午後5時から、東京・飯田橋のホテルエドモントで行われます。

 ■大賞1点 賞状、記念品、
 「炎の秘密」  ヘニング・マンケル作、オスターグレン晴子訳 講談社
 ■JR賞1点 賞状、記念品、
 「川の上で」  ヘルマン・シュルツ作、渡辺広佐訳 徳間書店
 ■賞5点 賞状、楯、
 「えんの松原」  伊藤遊作、太田大八画 福音館書店
 「クリスマスはきみといっしょに」  ホリー・ホビー作、二宮由紀子訳 BL出版
 「シカゴよりこわい町」  リチャード・ペック著、斎藤倫子訳 東京創元社
 「地震と火山の島国」  島村英紀著 岩波書店
 「平和のたからもの」  寺田志桜里文・絵 くもん出版
 ■美術賞1点 賞状、楯、
 「かえるだんなのけっこんしき」  ジョン・ラングスタッフ再話、フョードル・ロジャンコフスキー絵、  さくまゆみこ訳 光村教育図書
 ■フジテレビ賞1点 賞状、楯、
 「不思議の風ふく島」  竹内もと代作、ささめやゆき絵 小峰書店
 ■ニッポン放送賞1点 賞状、楯、
 「ビリー・ジョーの大地」  カレン・ヘス作、伊藤比呂美訳 理論社
 ■推薦10点 賞状、楯
 「朝の別れを」  大野充子著 ポプラ社
 「家出の日」  キース・グレイ作、まえざわあきえ訳、コヨセ・ジュンジ挿絵 徳間書店
 「AはアフリカのA」  イフェオマ・オニェフル作・写真、さくまゆみこ訳 偕成社
 「オオカミのともだち」  きむらゆういち文、田島征三絵 偕成社
 「河合雅雄の動物記(3)」  草山万兎作、金尾恵子画 フレーベル館
 「キツネ」  マーガレット・ワイルド文、ロン・ブルックス絵、寺岡襄訳 BL出版
 「ちいさなきかんしゃレッドごう」  ダイアナ・ロス作、レスリー・ウッド絵、みはらいずみ訳 あすなろ書房
 「チョウとガのふしぎな世界」  矢島稔著 偕成社
 「琵琶湖の魚」  今森洋輔著 偕成社
 「ムシャノコウジガワさんの鼻と友情」  二宮由紀子作、荒井良二絵 偕成社

◇  主催 産経新聞社  後援 フジテレビジョン ニッポン放送  協賛 JR東日本 JR東海 JR西日本
    JR北海道 JR四国 JR九州 JR貨物  協力 ホテルエドモント


この産経児童出版文化賞の受賞作品の紹介または)は

 この産経児童出版文化賞の台湾での受賞作品のリスト

 こちらにも産経児童出版文化賞の商会と説明がありました。


産経児童出版文化賞の楯 (横21cm x 縦30cm)

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