島村英紀の裁判通信・その19
(2007年1月11日に配信)

応援メッセージ part 4)


12日午後、島村英紀に対し、いよいよ判決が出ます。

裁判は昨年5月に始まりましたが、10月24日、札幌地検による論告求刑は、

「被告人島村英紀は、ミエルデ教授に対し、売却意思及び権限があるように装い、受領する金員を自己の用途に費消する目的で、北大が管理する国有財産である海底地震計等の売買代金名下に合計2026万円を詐取した」

として、求刑は「懲役4年」でした。

これはホリエモンと同じで、彼のときはどこかの新聞に「実刑狙いの4年」と出ましたっけ。

これに対し島村弁護団は、11月7日の第11回公判で論告にすべて反論して、

「以上詳論してきたとおり、どのような観点から眺めても、被告人には詐欺罪は成立しないから、被告人は無罪である。裁判所におかれては、事実を外形的にのみ捉えるのではなく、その実態をつぶさに検討され、適切な事実認定をしていただきたいと切望する」

と最終弁論を展開しました。

「裁判通信」でお知らせしたように、詐欺の相手とされるミエルデ教授は、検事側証人として出廷した公判で「だまされたつもりはない」と証言しました。

被害者は「お金を返せ」といっていません。売ったはずの「北大備品」は、「所有」しているはずのベルゲン大に断ることもなく、日本にもフランスにも持ち出され、はたまた海中で失われたものは補充して使われてきました。なぜならベルゲン大はお金を「共同研究費」として出したからです。

「二人が共謀して北大の備品を売りさばき横領した」ならまだわかりますが、島村がそのお金を「研究費」以外に使った事実は出てきませんでした。

それが検察論告で「それが被告人が行う海底地震の研究費用として費消する目的であったにせよ」という奇妙なexcuseを書かせた原因です。

海底地震計はいわば「消耗覚悟の機械」ですから、いつでも作り直しています。教室の黒板を売ってしまったのとは違うのです。さらに「北大の金で部品を買った」については、予算を研究費のために使うのは当然で、しかしもう研究が続けられないとなって、民事で和解を選択、残金を北大に戻しています。

さて、どうしてこれで「詐欺罪」が成立するのか不思議です。

しかし、そんなことにはお構いなく、明日12日に判決は出ます。
考えられるケースは次の3つです。

(1)有罪・執行猶予なし

これは裁判後、そのまま拘束されます。当面は、たぶん、札幌拘置所へ(その後、他へ移されるかもしれません)。面会(たぶん10分以内)は1日1件(複数人でも可)可能。土日祝日は不可。手紙や差し入れは可能。

(2)有罪・執行猶予付き
拘束はされません。控訴するかどうかは一長一短(心情、実利その他)があり、島村と弁護士が相談しながら、期限(たぶん2週間)以内に決めることになるでしょう。

(3)無罪
拘束はされません。検察側が控訴したら、対応せねばならず、長い裁判になるでしょう。

もちろん私たちは(3)の無罪を願っています。判決を伝える「通信20」は12日午後に送る予定です。


島村英紀はすでに札幌に入り、判決に備えています。私たちも、できるだけ早く、みなさまに情報を送れるように準備しています。公判直前の今日、無罪判決を願いながら、多くのみなさまから寄せられた応援激励メッセージを送ります。もちろん、島村も見てくれるはずです。

<編集部>


<応援メッセージ>

11906/12/10 
彼の交友の広さに今さらながら感心しています。

ところで、ふと思い出して、もしかしたらと思い、彼も参加して書いたと聞いて昔買った、東大学生問題研究会編「全国高校風土記」を引っ張り出してみたら、池田さんたちのお名前を発見しました。

12006/12/10
島村英紀裁判通信を拝読して、事件に対する理解を更に深めました。応援者の多いことを心強く感じました。1月12日に無罪判決のでることを切に期待致しております。

編集に関わる皆様の御努力に敬意を表します。

12106/12/14
永い間皆様のサポートお疲れ様でした。島村先生にも心強かったことでしょう。

それにしても実に嫌な裁判でした。北大内の争いなのか、地震予知の名目のもとに多くの費用を無駄に使い、引っ込みがつかなくなっている国と結託した勢力の差し金なのか、えらい犠牲者になってしまわれたようです。

確かに本人に口座の落ち度もありましたが、これはむしろ北大、文部科学省のシステムの問題です。特に文部科学省の管理システムの時代遅れぶりはイジメ問題への対応を見てもわかり、これは教育委員会や学校レベル以上に旧来のシステムを改めようとしない三流官庁のためと考えます。こうした管理思想が全国の教育界に蔓延しているのです。

最後に研究者としての島村先生の最後の情熱を断ち、その研究を遅らせてしまったこと、残念の一言です。いずれにせよお疲れの言葉とともに何回もにわたってご報告いただいたことに感謝申し上げます。

12206/12/17
先日は膨大なる「通信」をお送りくださりありがとうございました。

じつは数ヶ月前に「私の言い分」がすでに届いておりました。それを読み、今回の裁判はまったく見当はずれの言いがかりであり公判を重ねることで事実がおのずと明らかになるはずだとの確信を強めておりました。

「通信」を順を追って詳細に読むと、そもそも詐欺などどこにも存在しなかったということがよくわかります。

刑事被告人などという、不名誉な呼び名を彼にどうしてもかぶせたかった悪意ある連中がいたに違いありません。

男の嫉妬は女より遥かに凄まじいとも言われます。北大でひときわ異彩を放つ彼の活躍を快く思わず、(在任中に本人に確認するならいざ知らず)、退官した直後に内部告発するなど、女々しい(女の私が言うのも何ですが)ことこの上なしです。

海底地震計に関して、かつて、秋葉原でジャンク部品を探したり、羽田付近の町工場を回った話を聞いたことがあります。そういうことが楽しくて仕方がない、という表情でした。

「へーえ、なんだか学者っぽくないのね」「そうだよ、机にじっとしてたら仕事にならないんだよ」という言葉に、すっかり感心した私はその後何人もの友人に、行動する学者を自慢をしたものです。

もう20年も前かと思いますが、「地震は予知できない」とよく言っていました。その主張が本になり、マスコミでも取り上げられ評判を呼んだことが今回のことと結びついている、と多くの人が思っていますよね。私も同感です。

彼の書いた本を読むと、地震のことを多くの人にもっと知ってほしい、そのためにいかにわかりやすく表現するかにいつも心を砕いているのがわかります。この地球を研究の題材に選んだ彼に一日も早く好きな研究に没頭できる日々が再び訪れることを切望しております。

最後になりましたが、編集部の皆様方の地道なご努力と冴え渡る筆力、そして熱い友情に心からの敬意を表します。どうか今後ともよろしくお願いいたします。

12306/12/28
島村さんの臨場感あふれた手記を送っていただき、ありがとうございました。

読み始めて、「この手記に感想を述べるには時間がかかりそうだ」と思い、とりあえず、今回は貴重な「手記」の作成を手伝った労を多とし、送信してくれたことに対する御礼だけを申し述べることにしました。

冒頭に、この手記が「とくに近頃は、望まないのに、誰でも、突然、遭遇することになるかも知れない経験」であることが記されています。「近頃」では、権力を持つ者にとって都合の悪い事と人を、コトバの暴力(言論)、時には「法や国家機関」を駆使して排除する風潮がまかり通っていることへの警鐘ですね。

これから「権力による罠」の実相について、島村さんの体験を熟読した上で、その気になったら私見を送ろうと思います。続編を楽しみにしています。

12月27日に、佐藤優の『獄中記』(岩波書店)を買ってきたところに「島村手記」が届きました。同じく『権力の罠』に嵌められて長期勾留を体験しましたが、佐藤優は、官僚です。島村さんは科学者です。同様の体験をどのように綴るか比べながら、『排除』の仕組みと『罠』の本質を考えてみたいと思います。

今年も暮れようとしています。いっそう「居心地悪さ」が嵩じそうな気配です。このまま「われらの時代」に幕引きしてはいけないとの思いを胸に新年を迎えたい。

12406/12/28
さすが、島村英紀。わたしたちが知りたかったことを、克明に冷静に、かつ生き生きと書きましたね。どんなときにも取り乱さず、なりゆきをきちんと把握している。

激して我を忘れることもなく、窮地に陥った時でさえ、一層目を大きく見開いていま起きていることをしっかりと見ておこうとする沈着さ。

こういうのを、まさに科学者根性と呼べばいいのでしょうか。かと思うと、堂々と空腹を訴えるあたり実に頼もしく、あ、これなら大丈夫、と妙に安堵し、かつ納得しました。

何度も読み、改めて島村英紀の凄さに脱帽。ただのヤワな学者と学者が違います。

が、だからこそこのような目に遭っているのでしょうか。このあとに続くという「ドキュメント 拘置所生活171日」もぜひ読まねばなりません。

編集部のみなさまの友情の強さに敬意を表しつつ。

12506/12/29
島村さんの手記拝見。ひどいものですね。ぼくのように社会的地位の無いものには無関係とも思いますが、誰かに恨みをかっていると、ちくってさされるかもしれませんとの万が一の可能性が無くはないのですか。

12607/1/4
島村先生の裁判記録通信をお送りいただきありがとうございます。

先生に皆さん方のような素晴らしいお友達がいらっしゃって本当に良かったと思いました。

先生には長い間お世話になっていつも感謝しているものですが、事件は他人事とは思えません。先生には何もお手伝いは出来なかったのですが、応援しておりました。

事件のこと大変気になっておりましたので、先生からメルマガのお話があり、ご迷惑かと思いましたが、お願いした次第です。どうぞよろしくお願い致します。

12707/1/4
お送りいただきありがとうございました。ゆっくり読ませていただきます。

新聞、ニュース等で報じられたとき、いったい何がおこったのかよくわかりませんでした。億単位のビッグサイエンスが話題になるときに、もちろん個人にとっては巨額ですが、研究プロジェクトとしてたった2000万円がこんな大事件になるとは思いもしませんでした。

島村先生はけち(!?)ではありましたが、生活に困るような方ではないのですごく変だと感じていました。また読ませていただきます。

12807/1/5 
今やっと全文を読み終わり、何が起きたのか知ることができました。これまで手探りの状態からネットの輪を広げられた努力に敬意を表します。

この通信を読んでの感想を述べさせて貰います。

1.日本では、寄付も贈与も国家管理下に置かれていて、寄贈者の意図は無視される。政治資金と同じレベルで扱う無理が他の事例にも多く見られる。

今回の場合、和解金は北大からベルゲン大へ返還されるのでしょうか? 返還されないのであれば、島村教授に研究を続けてもらうための寄付ですから、名誉教授として名を冠し、後任が共同研究をするのが道理で、これをしないなら北大は社会的な意味で詐欺師になります。

また、北大は和解金を受け取りながら、なぜ告訴を取り下げないのか?

2.優秀な弁護士と何度もでてきますが、171日も勾留する・したことに対し、なぜ抗議しないのか、解せません。

なぜ検察は横領から詐欺へ切り替えたのか、原告の了承なしにそんなことが許されるのか? 手続き面でどう争ったのか?

3.経緯を見ますと、島村教授の退任後に北大は横領として告訴していますが、研究費の不足から島村教授の寄付金残高に目をつけ、北大に戻す・戻さないやりとりがあったのではないか? 

或いはノールウエイとの共同研究を嫌う人が(村井助手はこんな難儀な測定から足を洗いたかったのか?)いて、或いはできる後継者がいないため、打ち切る為の茶番劇か?

4.地震がプレートの移動に起因するという仮説を証明しようとすれば、グローバルにならざるを得ない。国が関与するなら、先ず国が率先して各国との調整を図り、全面的に潤沢な資金を出すべきだ。

5.先駆者の労を評価しない日本の風土・狭隘さを見せ付けられて悲しくなります。

変化の早さの順では、市場>NPO>企業>政治家>・・・>官僚>法律>学校>裁判所とみると、裁判所は現状を真に理解できるのか、懸念します。

1月12日の判定を見守り、国体の問題としてネットで運動を展開してはと思います。

12907/1/5
札幌拘置所の記録を送信いただきました。

よく、気も狂わずに171日を過ごされました。たいした精神力と拝察いたします。

「観測船のなかよりまし」には驚きました。

そして、この記述。

『虔十(けんじゅう)の森』に代表される、賢治の底抜けの明るさ、というよりは明るさへの希求を秘めた賢治の心情、を味わうには、独房は最適な場所の一つである。
太陽の光のきらめきを見ることも、風で震える葉を見ることも嬉しい、という(世間的には間が抜けた男である)虔十の喜びを、不自由な拘置所の生活でも、毎日、どこかで感じとれるはずだ、というのが私の信念であった。

ぼくは独房に拘禁されたことはありませんが、深く感じいりました。賢治の「虔十公園林」と「グスコーブドリの伝記」は彼の作品のなかで最も好きです。これを読むたびに、自分が「どこにいるのか、どこに行くべきか」をいつも深く考えさせられます。

12日の判決、正当なものであることをお祈りしております。

13007/1/5
みなさま。いつもありがとうございます。

もう、ほんとうにかみしめるようにして読ませていただいています。

でもいただくばかりで何も出来ないので、せめて知り合いに少しでもこんな理不尽な話を知ってもらいたいと、MLなどで伝えています。いろいろ反響があります。

そして今年も元日の朝、島村さんから年賀状(メール)が届きました。

7月の通信07(お礼)といい、この年賀状といい、とても勇気付けられる一文で感心してしまいます。ですが、並大抵の体験ではなかったことを、暮れにいただいた通信16(手記)からうかがい知ることが出来ます。

そして今届いた手記の続き・・・・・。中でも、「心配しても、あるいは想像や妄想を逞しくしても、それらは、あとになってみると、それほど意味のあることではないに違いない。いずれはわかることだし、その段階で、選択できる可能性を考えながら、最善の処理をすればいいことだ。」にはうなってしまいました。

どうして、どこから、こんな達観が湧いてきたのか。これが、心の健康を保てた最大の理由と思われます。

何十年ぶりかで会ったとき(まだ極地研所長になる少し前でした。こんな話はまったく予想すらしてなかったころです)、ある裁判へのご協力を求めて弁護士会館で会ったのですが、自販機の100円のカップコーヒーの代金を自分で払おうとなさる、そればかりか後日そのお礼を言われたのです。

紙コップ飲料のお礼を後日言われたなんて、後にも先にもこれしかないと思います。ですから私はぜったいに冤罪と信じているのです。

はじめて通信を送っていただいたとき、小さなエピソードがあると書いたのは、この件です。良い判決が出ますよう信じつつ・・・・・
ありがとうございました

13107/1/5
独房生活171日、読みました。

知らないことがビビッドに書いてある文書と言うのは面白いですね。

島村さんは面識ありませんが、大いなる楽天家のようです。それと、何を対象にしてもゲームのプレイヤー的な立場に自分を置いてしまう癖がありそうです。
12日、うまく行けば、何かの集まりあるのでしょう? 呼んで下さい。

13207/1/5
新年おめでとうございます。

暮れに続いて本日も、手記をお送り下さいましてありがとうございます。

以下、全く同感です。

「私たちも正月休みの間に裁判記録を読み直してみて、どう考えても「詐欺罪」が成立するとは考えられなかったのですが、しかし島村が踏んでしまった「虎の尾」は意外と長くて、どこかの権力に繋がっていたのかもしれません。

この程度のミスで(振込先を個人口座にしたというミスですが、北大事務局の指示もあいまいでした。

しかもそれを横領したわけではなく研究費として使い、残してあったにもかかわらず)、北大が必死に事件化し、検察ががむしゃらに起訴した理由がわからないのです。ある判事が「これは事件ではないよ」といったことを思い出します。」

「無罪判決を信じながら、12日を待ちたいと思います。」
あと1週間、早く皆で祝いあいたいです!

13307/1/5
あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いいたします。

裁判通信をお送りいただきありがとうございます。

手記を読んで、私達のささやかな行動が少しは彼を支援することになったかと感じられて、良かったと思います。

やむを得ないことと理解しましたが、レスポンスが希薄だったので、私達も何をしたら良いか分からず、ただただ心配していたという状態でした。もう少し頻繁に手紙を出せばよかったと悔やんでいます。

彼の無罪を勝ち取って、今年が良い年になることを祈っています。

13407/1/6
私は、1-3日の留置所経験があるのだけど、前書きにあるように、この島村さんは、実に冷静な観察眼の持ち主ですね。政治犯的闘士の風格を感じました。

詐欺罪の構成要件がどういうことになっているか、まったく無知ですが、本人に詐欺を働く意思がなくても成立するものなのでしょうか。

多分この罠をしかけた連中にとっては、有罪の判決は副産物で、逮捕勾留したことで、目的を達成したと考えているのではないでしょうか。島村さんを社会的に葬り去ることが狙いだから。

そういう意味では、島村さんの研究が継続でき、その成果が公表でき、自説をさらに強化できる環境が整えられるかが、これから重要ではないでしょうか。12日の判決公判を私も注視しています。

13507/1/6
たいへん面白く読ませていただきました。へたな不条理小説など及びもつきますまい。

あなたがこの事件に掛かりっきりになったのも、友人として何か感じるところがあったからだと思います。私が、この事件についてどの程度関心を持ち続けられるかは問題ですが、もしも、あまりお手数でなければ情報をお流しください。「国家の罠」には関心を持っているつもりですので。

趣味で退屈しているわけではありませんが、それにしても世の中、嫌なことばかり多いことですね。

原子力発電などに異を唱えたりすることも危険な行為と見なされるかもしれません。教育基本法も、新聞でもNHKでも扱いはおざなりだったと思いますが、憲法に関しても同じようなことになるのではと危惧します。現在の憲法が至上のものであるとは思いませんが。

13607/1/8
あけまして、おめでとうございます。

ご挨拶が遅くなり、大変失礼いたしました。

昨年は、兄のために身を粉にして支援活動を展開して下さいまして、本当にありがとうございました。編集者の方々にも、「裁判通信」を読んで兄を支えてくださる方々にも、心から感謝申し上げます。

いよいよ1月12日が近づき私たち家族は緊張しておりますが、兄は、いつものように悠然と構えております。

9日に札幌に発つ前に、とのことで昨日、世田谷にある弟宅で会食をしたところ、何と兄は、練馬区から、なんだかとても速そうなスポーツ型の自転車でやってきて、さんざん飲み、笑い、語った挙句に、自転車で帰っていきました!!

裁判通信に掲載して頂いた兄の手記を読んで私たち家族は、心身ともにタフで徹底したポジティブ思考の持ち主である兄に、ますます尊敬の念を覚えました。

今回の裁判がなければ知らずに終わったかもしれない兄の真の姿を見ることができ、今回の出来事を幸運に思うと同時に、裁判通信があってこそ知りえたことに、感謝の念を深く致しました。本当にありがとうございました。

12日の判決でたとえ詐欺罪が成立しようとも、兄が破廉恥な詐欺を働いたのでないことは確実ですし、もしかしたらまた、一般人には望んでもできない貴重な体験を積んで、愉しみながら新しい切り口での獄中記を書くのではないか、とも思っております。

今後も、兄をよろしくお願いいたします。

ではどうぞお体を大切になさって、今年もお元気でご活躍くださいませ。

13707/1/8
私が阪神淡路大震災を経験し、防災教育に取り組んでいたところ、島村先生から暖かい励ましをいただいたことは忘れられません。今後ともよろしくお願いします。

13807/1/10
島村事件で、検察(=国家)が一体どのくらいの税金を使ったのか、気になってしまった。

東京への島村逮捕のための航空賃、宿泊費、日当、そしてベルゲン大学までの出張費、ミエルデ教授の出張費(実費に加えて、謝金も払っているに違いない)、裁判への島村護送のための費用等々、直接経費だけでも500万円は下るまい。

それに、間接費用といえる検察関係者や拘置所関係者さらには裁判所関係者の費用etcを加算して、厳密に計算すれば、少なくとも1500万円近くはかかっていよう。

これほどあやふやな立件の仕方で、これだけの費用を使うのは、普通あり得ないことと思ってしまう。

やはり、魂胆は、島村の研究を中止に追い込み、島村を研究者としては社会的に抹殺することだったとしか思えない。とすれば、裏にいる人間は明らか!(ま、これはマネーの側面からだけの見方だが)

13907/1/10
島村さんの獄中記、大変読み応えありでした。

島村さんの人柄が出ていて、この人柄で、皆さんが繋がっているのだなって思いました。

そこへ持ってきて、今回の池田さんの文、謎が解けました。どうやら、北大つながりではない人脈があるのでは? と感じていたのですが、今回よくわかりました。

ところで、北大の中には、支援者はいたのですか?

実は、北海道には、私の娘と息子が住んでいて、娘は、北大時代からずうっと泊原発にかかわってきていたので、たぶん、ヨタさんのことを知っていると思います。今、インドに出かけているので、きけませんが、帰ってきたら見るように、このメールを送っておきます。

14007/1/10
12日の件 期待はしても、裏切られること大きいのが浮き世の常。

でも期待します。主観主義はね。ことの経過、微細に検討、そして大胆に。

名古屋でしたか、あのように、命をかける判事がいるでしょうか。

14107/1/10
読んで、島村さんについて私達が知らない部分を垣間見ることができたような気がします。

14207/1/10 
北海道であんなに魅力的な方々と付き合っていたなんて、それは島村さんの吸引力もあったのでしょうね。

「獄中記」を読んでも、「人間到る処青山あり」の考え方がわかりました。どこにいてもくじけない島村さん、12日の無罪判決を信じて、さらなる活躍を祈ります。

14307/1/10
島村英紀氏が自ら「逆境にあるときこそ、真の友人がわかる」と述べているとおり、氏はいい友だちを持っていて幸せですね。1月12日の「吉報」を待っています。

14407/1/10
いよいよ明後日判決となりましたね。今まで父を支えてくださり本当にありがとうございました。

また、父だけではなく、私たち家族も皆様の温かい支援のおかげでどれだけ支えられたか分りません。本当にありがとうございました。

私は、明日札幌へ出発し、父のところで一泊して、明後日裁判にまいります。

判決がどうか良いものでありますようにと願って止みません。

14507/1/10 
私事ですが、40数年間サラリーマン生活をして、危ない橋を何度か回避しながら大過なく終止符を打ち、しばらくのんびりと次のことを考えようと思っていた矢先、私とは全く異なる研究者の道を、順調に歩んでいると思っていた島村英紀がとんでもない事件に巻き込まれたのを知りました。

この事件に遭遇して、彼の正義感に溢れ、誠実で、真摯な研究者としての態度を知る一人として、この1年いろいろな感情、無力感に近いものも胸の中をよぎりました。

理不尽な逮捕、長期勾留とその間中の接見禁止などに戸惑いながら、言葉で表せば、「世の中は不合理で、理不尽なものだ」「良い行いをしているからといって、良い報いがあるとは限らない」等々。

逆に、公判中に被害者とされたベルゲン大学ミエルデ教授の「だまされたとは思っていない」という証言を読んで「情けは人の為ならず」とも。

また、公判が終了して1月12日の判決が良い結果で終わることを期待しながら、「人事を尽くして天命を待つ」しかないのかとも。

しかし、事件の中身が判ってくるに従って、今回の件は自然災害や病気などのように人力の及ばない原因の結果ではなく、我々が対処できる、否、対処しなければならない事態なのだ
との考えに至りました。

その為には、このような不合理なことが重ねて起きないように、世間の関心を結集すべく活動をしていかなければならないと思っています。

日本は未だ良識が通じる社会であり、「犯罪などなかったことが証明される」と、勿論、確信しています。

しかし、万一、望んだ結果でなかったとしても、こんなことを2度と起こさない為の活動は、将来の為にも止めるわけにはいかないと考えています。

14607/1/10 
島村英紀の「札幌拘置所 独房生活171日」の原稿を読んだ時、まだ状況がほとんど飲み込めていなかった昨年3月、札幌で、尾崎弁護士にお会いした時のことを思い出した。

一通り状況を説明頂き、私が「島村はどうしていますか?」と聞いた時、「島村さんは、拘禁状況にありながら、泰然自若として、研究用の船に乗っている時より、揺れないだけまだましですよ、といっています。大したものです」という答えがあり、とてつもなくホッとした時のことを。

同じことが、また、島村の「札幌拘置所 独房生活171日」にも書いてあったからだ。

そして、尾崎弁護士の言葉のはしはしに出てきているのは「これは本来なら事件ではない。島村の研究者としての社会的抹殺を狙ったものだ」という確信であることに、ある意味「感動した」ことも思い出した。

さすがは、島村が選任した弁護士グループだけのことはある、とその時思った。同時に、弁護団にそこまで「惚れ込ませた」島村も大したものだ、とも思った。

しかし、その後、もろもろの事情から島村裁判を傍聴することが出来ないまま、12日の判決を迎えることになってしまったことは、個人的には忸怩たるものがある。

どのような判決が出るかは、分からないが、島村が揺れることなく(船の上ではないので当然か!)一貫して矜持を保ち、あれだけ優秀な信念ある弁護団が全力を尽くしてくれたのだから、判決結果に関わりなく、これからも島村の支援を続けていきたいと考えている。

無罪判決が出れば、検察側控訴、逆なら、弁護側控訴が待っている。たとえ中間で決着しても、島村の社会的存在の復活まで、どのような形になるかは今はまだ分からないが、闘いはまだまだ続きそうだ。私も12日は、気を引き締めて、結果報告を待つことにしよう。

14707/1/10 
この「通信」をみなさまに送るにあたり、私たちは厳しい原稿チェックをしています。

それは、間違えた情報を出さない(なるべく)、読者に不快感を与えない、秘密は秘密として守るなどです。それは島村本人の原稿にもいえることです。

先日、「16」「17」と2回にわたって島村英紀の手記を掲載しました。

3回くらい書き直してもらっていますが、その主な論点は、「見たままを正しく書く」か「見たことで何を感じたかを書く」かの違いでした。「ガ?キのころから文科系」である私は、「オマエが獄中で何を感じたか知りたいのだ」というのですが、島村は頑として聞かず、「事実だけがたしかなものだ」と主張します。お互いがどのあたりで手を打ったかは、原稿のとおりです。

大声でわめくことなく、静かな口調で自分が見たことだけを書いた原稿の迫力に圧倒されてしまいました。編集者は、しょせん科学者には敵いません。これは、学生時代からそうだったかもしれません。

明日の判決を前に、私たちはドキドキしていますが、島村は平常心を保っているようです。この「通信」の最初に書いたように、明日は3つのケースが予想されます。(3)の無罪を信じて、私もおだやかにあと1日を過ごしたいと考えています。そして「判決速報」を最後に、「編集作業はお役ご免」となり、心の底から笑いあえる日が来ることを望んでいます。



07/1/10 島村英紀
皆様、ありがとうございました。

私としては、とてもかけがえのない励みになります。皆様の後ろ盾があって、はじめて、明後日の判決に臨めます。

札幌に昨夜着いて、今日はたまたま時間が空いたので、15分離れた(私が泊まっているわけではない)ホテルに来て、無線LANをしています。昨日の朝までに40センチ降ったとかで、やはり、それなりの、私にとっては懐かしい雪景色になっています。

 

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ノンフィクション・島村英紀の家宅捜索・逮捕・連行劇
ノンフィクション・島村英紀の獄中記
海底地震計・海底地震観測とはどのようなものなのだろう
悪妻をもらうと哲学者になれるなら:海底地震学者は「哲学者」になれる
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島村英紀が書いた「もののあわれ」

誰も書かなかった北海道大学
私を支援してくださっている奈和浩子さんのホームページ




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